高慢と偏見とゾンビ

子供の頃に思い描いていた21世紀は
宇宙旅行に行けたり、空飛ぶ車が街の上空を行き来したり、
一家に一台ロボット(ネコ型ではない)がいたりと
想像するだけで心が躍るようなものばかりだった。

しかし、子供の頃の夢は実現することなく、
21世紀になって10年が経過しても、
日常生活において劇的な変化もない毎日が続いていたが、
まさか、こんな形で21世紀を実感する事ができるとは思わなかった。

それは上野駅の本屋での出来事だった。

小説を物色していた自分の目にあるタイトルが飛び込んできた。

高慢と偏見とゾンビ

「えっ」と思い、二度見どころか三度見し、もう一度タイトルを確認。
見間違いでも何でもなく、タイトルが本当に「高慢と偏見とゾンビ」。

昔、伊藤政則が言っていた、
「下が緩む」というのはこういう事だと実感しましたよ。

大相撲連続殺人事件」なんて目じゃない衝撃が自分を襲い、
一瞬、タイトルの意味が分からない程、パニックになってしまった。

一度、整理しようと思います。
タイトルの各単語を広辞苑で調べてみました。

・高 慢:自分が優れていると思って、他をあなどること。

・偏 見:かたよった見方。ゆがめられた考え方・知識にもとづき、
客観的根拠がないのに、特定の個人・集団などに対して抱く非好意的な意見や判断、
また、それにともなう感情。

・ゾンビ:生きる屍

一つだけ、全く相容れない単語が入っています。

あまりにも有名な「高慢と偏見」の説明は下記の通り。

今から約200年前にイギリスの小説家、
ジェイン・オースティンによって書かれた「高慢と偏見」は
17~18世紀のイギリスの片田舎を舞台として、
女性の結婚事情と誤解と偏見から起こる恋のすれ違いを
描いた恋愛小説として有名。

最近では、キーラ・ナイトレ主演で「プライドと偏見」として映画化され、
それ以前にも何度も映画化されている名作である。

そして「高慢と偏見とゾンビ」のストーリーは下記の通り。

18世紀末イギリス。
謎の疫病が蔓延し、死者は生ける屍となって人々を襲っていた。
田舎町ロングボーンに暮らすベネット家の五人姉妹は少林拳の手ほどきを受け、
りっぱな戦士となるべく日々修行に余念がない。
そんなある日、近所に資産家のビングリーが越してきて、
その友人ダーシーが訪問してくる。
姉妹きっての優秀な戦士である次女エリザベスは、
ダーシーの高慢な態度にはじめ憤慨していたものの・・・。

似ているような、似ていないような・・・。

「高慢と偏見とゾンビ」の訳者後書きに
詳しくこの小説が誕生した経緯が書いてあったので簡単にまとめます。

ジェイン・オースティンが書いた「高慢と偏見」の著作権が切れていて、
そこに目をつけた作者のセス=グレアム・スミスが
「高慢と偏見」にゾンビを加えて完成させ誕生したのが「高慢と偏見とゾンビ」。

音楽の世界では、昔の名曲に自分なりのアレンジを加えて
新しい曲として発表するのは、今やマッシュアップとして常識となっているが、
小説の世界では、この「高慢と偏見とゾンビ」が
マッシュアップ小説としては初の作品として登場したらしい。

この新解釈が全米でうけて、100万部突破のベストセラーになり、
ナタリー・ポートマン主演で映画化も決定したらしい。

この勢いに続き、セス・グレアム=スミスの次回作は
同じくジェイン・オースティンの作品「分別と多感」に
海の怪物が登場する小説のようだ。

肝心の「高慢と偏見とゾンビ」の内容だけど、もう無茶苦茶です。

主人公のエリザベスを始め、ベネット家の五姉妹は
中国にカンフーの修行に行った、カンフーマスターになっているし、
舞踏会にゾンビが乱入するし、
ニンジャやゲイシャも登場するし、
レディ・キャサリンとエリザベスの死闘は、まるで「マトリックス」の世界だしと
ネタが満載の内容となっている。

物語の前半はゾンビの襲来が多く楽しめるけど、
後半は「高慢と偏見」と同じように恋愛話が中心となってしまい、
ゾンビ好きには消化不良な展開となってしまった。

物語は本家の「高慢と偏見」の内容に忠実に沿って進んでいくので、
「高慢と偏見」を読んだことがある人の方が
この「高慢と偏見とゾンビ」を楽しむ事ができると思う。

この「高慢と偏見とゾンビ」が
ゾンビ界の新しい扉を開けたことは間違いないけど、
やはり後半のゾンビが少ないという事が全米でも不評だったようで、
後にゾンビを30%増量した「デラックス愛憎版」が刊行されたらしい。
日本でも出版される事を期待しています。

いや~、しかしアメリカは凄いなと思うよ。
以前はミュージカルで「死霊のはらわた」を上演したとう話も聞いたし、
「高慢と偏見とゾンビ」といい、
基本的にゾンビの認知度が日本とは違いますな。
羨ましいもんです。

「デラックス愛憎版」も楽しみだし、
「分別と多感とシーモンスター」も楽しみだし、
映画化も楽しみなので、
今後も暫くは「高慢と偏見とゾンビ」から目が離せないです。

高慢と偏見とゾンビ

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コメント(1)

うわぁ~~、この映画化、すっごく観たいです~~!
…できれば、そのままキーラ・ナイトレイに演じて貰いたかったけど。。

…繰り返し観た最後の感動シーン、どんなふうにアレンジされているのか楽しみです♪

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