監督のニコラス・ウィンディング・レフンが、
第64回カンヌ国際映画祭監督賞を受賞した話題作の
ライアン・ゴズリング主演の「ドライヴ」を観てきた。

ストーリーは、
天才的なドライブ・テクニックを武器に、昼はアクション映画のカースタント、
夜は強盗の逃走を請け負う運転手をしているドライバー。
ある晩、彼はアパートの同じ階に住むアイリーンという若妻と
偶然エレベーターに乗り合わせ、ひと目で恋に落ちる。
だが彼女には服役中の夫スタンダードがいた。
やがて服役から戻り更生を誓うスタンダードを見たアイリーンは、
ドライバーを思いながらも家族を守る選択をする・・・。

この「ドライヴ」はかなり期待をして観に行きましたが、
この期待を裏切らない、凄い映画でしたね。

とても静かな映画で、淡々と物語は進んでいきますが、
その静けさの中に、常に危うさと狂気が同居していたので、
最後まで緊張感を持ったまま映画を観続ける事ができました。

プロ級の腕を持つドライバーが、
母子に愛情を持ってしまったが故に、人間らしい感情を取り戻しつつも、
機械のような冷静で完璧な計画が狂っていく様は、観ていて切なさを感じたし、
完全に破滅へと向かっていっているのに、守るべきものを得た、
ドライバー本人の顔が充実していっていたのが印象的でした。

そして、不器用な男が懸命に走り続けていく展開の中、
ラストを観たいような、観たくないよう不思議な感覚を持ってしまいました。

「ドライヴ」というタイトルのなで、
トランスポーター」や「TAXi」の様な
現実離れをした運転シーンで逃走すると想像してしまいますが、
そんな事は一切なく、車を止めて追っ手をやり過ごしたり、
無線を傍受したりしての逃走はとても現実味がありました。

主人公のドライバーを演じたライアン・ゴズリングのほぼ無口で、
表情で全てを物語る演技は見事で、圧倒的な存在感を放っていましたね。

スーパー・チューズデー」での冒頭10分間のライアン・ゴズリングの台詞よりも
「ドライヴ」でのライアン・ゴズリングの台詞の方が少なかったと思いますが、
完全に「ドライヴ」のライアン・ゴズリングの方が良かったです。

劇中に流れる音楽がとても効果的で、物語を引き立てていました。

殺人シーンでは、これでもかと血が飛び出していたので、
「R15」に指定されるのは当然だと思わせてくる内容なので、
女性に勧めるのは難しいかと思いますが、
ここ最近では珍しい骨太なハードボイルドな「漢」が描かれている映画だったので、
男性には是非、観てもらい映画です。

本当に素晴しい映画でした。

ドライヴのパンフレット

ジョージ・クルーニー監督、出演、
ライアン・ゴズリング主演のアメリカ大統領選の裏側を描いた
スーパー・チューズデー 正義を売った日」を観てきた。

ストーリーは、
マイク・モリス知事の大統領選挙キャンペーンチームで
戦略担当を務めるスティーヴンは、
決戦のキーポイントとなるオハイオ州予備選討論会の後、
ライバル陣営から密会の依頼を受ける。
その後、インターンとして働く女性と仲良くなった彼は、
選挙戦を揺るがす重大な秘密を知ってしまう。
やがて彼は熾烈な情報操作戦の渦中へと巻き込まれていく。

ジョージ・クルーニー監督作で、さらに本人も出演しているという事で、
もちろん主役はジョージ・クルーニーだと思って観始めましたが、
役所こそ、大統領候補のモリスを演じてましたが、
主役はライアン・ゴズリング演じる、若き選挙参謀のスティーヴンだったのが意外でした。

物語はとても現実的な内容で、
日本人の自分には、普段ニュースでしか目にしない題材ですが、
アメリカ大統領選の裏側を生々しく、これでもかと描いていたので、
アメリカ人には相当面白い内容の映画だったのではと思います。

出演している俳優陣も豪華で、
ジョージ・クルーニーはもちろんの事、
フィリップ・シーモア・フォフマン、ジェフリー・ライト、
ポール・ジアマッティ、マリサ・トメイと渋くて一癖ある面子が脇を固めていましたが、
この面々と互角の演技で渡り合っていた主演のライアン・ゴズリングの存在感も良かったです。

最初は清廉潔白として映っていたジョージ・クルーニー演じるモリスが
物語が進むに連れ、それが本心なのか、はたまた選挙に勝つための手段のためなのか、
ラストへ向けて変化していく様が、
L.A.コンフィデンシャル」のラストのエドの決意の顔と被って見え、印象的でした。

副題の「正義を売った日」というものには失笑ですが、
なかなか見応えのある映画だったと思います。

あと、パンフレットの形が初めて見る物だったのが驚きでした。

スーパー・チューズデー 正義を売った日のパンフレット

ミシェル・ウイリアムズちゃんがマリリン・モンローを演じ、
見事アカデミー賞主演女優賞にノミネートされた、
サイモン・カーティス監督の「マリリン 7日間の恋」を観てきた。

ストーリーは、
1956年、ローレンス・オリビエが監督・主演を務める映画
「王子と踊子」の撮影のためロンドンを訪れたモンローは、
初めて体験する海外での撮影のプレッシャーと、
夫との確執により仕事に集中することができずにいた。
さらに演技方法でオリビエとも対立し孤立してしまったモンローは、
ただひとり的確な助言をくれた第3助監督のコリン・クラークと親密になっていく。

まず、ミシェル・ウイリアムズちゃんが演じるマリリン・モンローが
本物のマリリン・モンローと瓜二つで(本物のマリリン・モンローをよく知らないけれど)、
この2012年にマリリン・モンローが甦ってきたのかと思いましたよ
(本物のマリリン・モンローをよく知らないけれど)。

自分が知っているマリリン・モンローは、
セックスシンボルということと、
ケネディ大統領の誕生日に酔っ払って「ハッピーバースデー」を歌ったことや、
多くの離婚歴があるということくらいでしたが、
この「マリリン 7日間の恋」で描かれているマリリン・モンローは、
まさしく自由奔放といった感じでしたね。

主役として迎えられた映画の撮影の際に、
気分が乗らないという理由で控え室に閉じ篭り、共演者を呆れさせる姿や、
若きコリンを誘惑する姿は、まさに「小悪魔」といった感じでした。

さらに物語が進んでいくと、マリリンの振る舞いも悪化していき、
「小悪魔」から「悪魔」に変化していきました。

ここで止まらないのがマリリンの凄いところで、
さらに「悪魔」を通り越してしまい、
もはや自分には「ドキンちゃん」にしか見えなくなりました。

そうなるとケネス・ブラナー演じるオリヴィエが「バイキンマン」で、
コリンが「食パンマン」といった感じだったけれど、
ラスト間際には「ドキンちゃん」というのもおこがましくなり、
最後には最終形態の「ドキンさん」へと変化し、圧倒させられました。

マリリン・モンローがアメリカからイギリスに乗り込んでくる話なので、
マリリン以外の役者は全部イギリス人という設定で、
実際に脇を固めている俳優もイギリスの名優ばかりとなり、
ケネス・ブラナー、ジュディ・デンチ、ドミニク・クーパー、
ジュリア・オーモンド、エマ・ワトソンと、かなり豪華な面々でした。

劇中にマリリンとコリンが撮影を抜け出し、
ウィンザー城内をデートするシーンが「ローマの休日」と被り、
映像も綺麗なこともあってか、とても素敵なシーンとして印象に強く残っています。

この「マリリン 7日間の恋」は、
コリン・クラークの自伝を基に撮られた実話というのが驚きですが、
天真爛漫なマリリン・モンローの裏側の苦悩も良く描かれているので、
マリリン・モンローにあまり明るくない人でも楽しめる映画だと思います。

マリリン 7日間の恋のパンフレット

ガイ・リッチー監督、ロバート・ダウニーJr、ジュード・ロウ出演の
前作「シャーロック・ホームズ」の続編となる
シャーロック・ホームズ シャドウゲーム」を観てきた。

ストーリーは、
ヨーロッパ各地で連続爆破事件が発生し、
ホームズは天才数学者で作家のモリアーティ教授こそが黒幕だと推理する。
事件に関与していると見たアイリーンが姿を消し、
「手を引かなければワトソンの命も狙う」とモリアーティから脅迫されたホームズは、
事件解決の鍵となる女性シムを探しにフランスへ向かうが・・・。

前作の「シャーロック・ホームズ」があまり面白いと感じられなかったせいもあり、
この「シャーロック・ホームズ シャドウゲーム」の予告編を映画館で観ても、
全く面白そうな映画とは思えなかったのですが、
あまり期待をしないで観たのが良かったのか、結構面白かったです。

面白いと感じた要因としては、
「シャーロック・ホームズ」にあまり明るくない自分でも知っている
ホームズの宿敵、モリアーティ教授が登場したことですね。

物語の序盤から対決の構図が鮮明なので、
この軸がラストまで崩れることなく続いていったので、
まあ、ハラハラドキドキ(笑)しながら楽しめました。

ストーリーよりも、前作の世界観を全く壊すことなく、
続編を撮り切ったガイ・リッチーの手腕には驚かされました。

ラストの展開からすると、続編はあるかと思いますが、
米国での興行収入が爆発的ヒットというわけではなかったので、
直ぐに制作に入るというわけにはいかなそうなのですが、
続編の公開を楽しみにしたいと思います。

シャーロック・ホームズ シャドウゲームのパンフレット

スターウォーズ」シリーズ全6作を3D化し、
一年に一本のペースで公開していくらしいプロジェクトの第一弾となる
STAR WARS エピソード1/ファントム・メナス 3D」を観てきた。

ストーリーは、
遠い昔、はるか彼方の銀河系。平和だった銀河共和国に混乱が訪れていた。
通商連合は辺境の惑星との交易ルートヘの課税問題に決着をつけるべく、
武装艦隊で惑星ナプーを武力封鎖。
即位間もない若き女王アミダラは連合の要求を拒否し、事態は悪化。
元老院は調停のため、二人のジェダイの騎士クワイ=ガン・ジンと
オビ=ワン・ケノービを派遣するが、
背後では暗黒卿ダーク・シディアスによって巨大な陰謀が進行していた。
二人は砂の惑星タトゥイーンで少年アナキンと出会う。
アナキンに秘められたフォースの力を感じ取ったクワイ=ガン・ジンは、
彼をジェダイ騎士団に入れようとするのだが・・・。

自分、「スターウォーズ」シリーズの中で
この「ファントム・メナス」が一番つまらないと思っているんですよね。

さらに3Dは大嫌いなので、観る要素が0な映画だったのですが、
「スターウォーズ」ファンとしては観るのが義務だと思い、
映画館に行ってきましたが、やはりつまらなかったです。

1999年に「STAR WARS エピソード1/ファントム・メナス」が
上映された時以来の二度目の鑑賞となりましたが、
上映開始30分くらいで、何でこの「ファントム・メナス」が苦手なのかを思い出しました。

ジャージャー・ビンクスのせいなんです。

このCGの化け物が世界観をブチ壊しているのがダメなんですよ。

今回は「STAR WARS エピソード1/ファントム・メナス 3D」ではなく、
「STAR WARS エピソード1/ファントム・メナス ジャージャー・ビンクス登場シーン95%カット」
とかにしていれば、かなり見応えのある映画になっていたと思うので残念です。

それと問題だったのが3D。

これ、ほとんど3Dになってませんでしたからね。

途中、3D眼鏡を外してみましたが、普通に2Dで上映しているシーンが多く、
なぜ3Dにこだわるのかが意味が分かりませんでした。

逆に言うと、「スターウォーズ」の3D版がこの程度だったので、
元々、2Dで撮った映画の3D化というのは完全に限界があるんだと教えられました。

それでも、冒頭の「20世紀フォックス」のファンファーレから
「LUCAS.ltd」、そして「スターウォーズ」のロゴが登場し、
テーマ曲に乗り、「プロローグ」の文章が登場するまでの流れは鳥肌ものでした。

さらにラスト間際のダース・モールとの戦いで
クワイ=ガン・ジンの最期が近づいてくると緊張感が高まっていきました。

ただ残念な事に、この「STAR WARS エピソード1/ファントム・メナス 3D」は、
日米で興行的に失敗しているようで、自分が平日の仕事帰りに地元の映画館で観た時も
3D上映用の大き目の劇場でしたが、観客は自分一人でしたからね・・・。

当初の計画では6年間かけ、6作品を3D化し公開する予定だったようですが、
ここまで不人気だと来年に「エピソードⅡ」が公開になるのかが心配です。

クローン・ウォーズ」のシリーズ化も頓挫しているようなので、
果たしてどうなる事やら・・・。

それにしても、なぜ「エピソードⅠ」だけ「ファントム・メナス」と
カタカナ表記なのかが昔から疑問なんですよね。

以前、小説のタイトルは「見えざる脅威」とかになっていたと思うのに、
公開された時には「ファントム・メナス」ですからね。

これでは意味不明ですわ。

だから人気も出ないような気がします。

まあ、そんな残念な「STAR WARS エピソード1/ファントム・メナス 3D」ですが、
唯一、素晴しかったのがパンフレット。

STAR WARS エピソード1/ファントム・メナス 3Dのパンフレット

このパンフレットの情報量には大満足です。

映画は観ないで、このパンフレットだけ購入すれば良かったと若干後悔しています。

スティーブン・スピルバーグ監督の最新作で、
アカデミー賞作品賞にノミネートされた「戦火の馬」を観てきた。

ストーリーは、
第一次大戦前夜のイギリスの農村。
貧しい農家にひきとられた一頭の馬はジョーイと名付けられ、
少年アルバートと固い絆で結ばれる。
折しも戦争がはじまり、ジョーイは軍に徴用され、
英国軍騎馬隊の軍馬としてフランスの最前線に送られてしまう。
敵味方の区別を知らないジョーイの目に、戦争は愚かさで悲惨なものとして映るだけだった。
その頃アルバートは、兵士となりフランス激戦地で戦っていた。
奇しくも共に激しい戦場に身を置くこととなったアルバートとジョーイの運命は・・・。

スティルバーグが原作の小説、舞台に感動し、
映画化を決意したという事もあり、当然ながら大変感動できる内容となっていました。

ただね、穿った見方をさせてもらうと、
あまりにも良く出来過ぎたお話だったなと思うんですよね。

物語の根底にはアルバートと馬のジョーイの強い絆が描かれていますが、
ジョーイの眼を通し、戦争の愚かさ、酷さも描かれていました。

戦争の厳しさを描いているのですが、
ジョーイが出会う人間が全員、良い人というのが物語を感動に導くのですが、
冷静に考えると違和感をかなり感じますが、
人間の優しさも捨てたものじゃないという事と、
戦争で争っている敵同士もお互いに正義があるという事を言いたかったのだと思います。

馬が主役なので、当然ながら馬のシーンが多いわけなのですが、
戦場を全速で走る抜けるシーンで、馬が有刺鉄線に引っかかるシーンがありましたが、
この「戦火の馬」では馬のシーンではCGを使っていないと謳っていたので、
どのようにあの迫力あるシーンを撮影したのかが、一番気になりましたね。

上映時間は2時間30分近くありましたが、全く長く感じずに、
ラストまで見続ける事ができた映画でした。

ちなみに馬がメインで活躍する映画を観たのはは「シービスケット」以来で、
全力疾走する馬が印象的なのは「トゥルー・グリット」以来でしたね。

最近は監督に制作にと大活躍のスピルバーグですが、
次回作の公開を楽しみにしたいと思います。

戦火の馬のパンフレット

元英国首相、マーガレットサッチャーを演じ、
メリル・ストリープに3度目のアカデミー賞主演女優賞をもたらした
マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」を観てきた。

ストーリーは、
1979年、父の教えである質素倹約を掲げる
保守党のマーガレット・サッチャーが女性初のイギリス首相となる。
「鉄の女」の異名を取るサッチャーは、財政赤字を解決し、
フォークランド紛争に勝利し、国民から絶大なる支持を得ていた。
しかし、彼女には誰にも見せていない孤独な別の顔があった。

サッチャー元首相といっても、在任期間が自分が小学生の頃だったので、
ニュースで何度か名前を耳にした程度なので、
お恥ずかしい話ですが、あまり詳しくは知りませんでした。

そのため、映画ではサッチャーの半生が描かれているのかと思っていましたが、
政治家としてのターニングポイントや重大な決断をした際の裏側を
妻として、そして母としての苦悩を描いていくというストーリーの進み方だったので、
マーガレット・サッチャーに明るい人ならば、
「なるほど」と納得してストーリーを消化していけるのでしょうけれど、
自分のように無知な人間には、どっちつかずで
サッチャーという女性の公私両方ともに中途半端な感じの理解で終ってしまい、
少々、もったいない感じを受けながら映画が終了となりました。

それでもフォークランド紛争やユーロの是非の際の
緊迫したシーンには惹き付けられるものがありました。

そして、何よりもメリル・ストリープの演技は見事でしたね。

首相を退いてから、最愛の夫の死を長年に渡り受け入れらずに
少々ボケ気味のサッチャーを哀愁漂う姿で演じていたのには心が動かされました。

最後に夫の死を受け入れた後の表情の変化が
この映画の全てを物語っていたと思います。

もう少々、マーガレット・サッチャーについてと、英国の歴史を学んでから、
この「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」を見直したいと思っています。

マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙のパンフレット

マーティン・スコセッシ監督の最新作で、
本年度のアカデミー賞11部門にノミネートされた
ヒューゴの不思議な発明」を観てきた。

ストーリーは、
1930年代のパリ。
父親の残した壊れた機械人形とともに駅の時計塔に暮らす少年ヒューゴは、
ある日、機械人形の修理に必要なハート型の鍵を持つ少女イザベルと出会い、
人形に秘められた壮大な秘密をめぐって冒険に繰り出す。

当初は3月9日公開予定だったのに、アカデミー賞の本命に挙げられたら
「これ、アカデミー賞作品賞取っちゃうんじゃね?」という思惑が働いたのか、
アカデミー賞直後の3月1日に公開を前倒した背景があります。

しかし、その甲斐もなく、主要ではない5部門の受賞という
物凄く微妙な結果になってしまい、大々的に広告も打てなくなってしまい、
何とも中途半端な封切となってしまったのは皮肉以外の何物でもないですね。

こんな背景があるにせよ、スコセッシの初めての3D映画という事で、
3D映画が嫌いな自分もスコセッシが撮る3D映画がどんなものかと気になり、
映画館に行きましたが、残念ながら地元の映画館では2D上映しかなかったので、
普通に2Dの映画を観る事になりました。

内容を一言で表すと「いいお話」だったなという感じです。

主役はエイサ・バターフィールドが演じるヒューゴが機械人形を修理する話ですが、
物語の根底に流れているものは、スコセッシがジョルジュ・メリエス対するオマージュ、
さらには誕生してから約120年になる映画に対するオマージュでしたね。

出演している俳優陣も豪華で、
クロエ・グレース・モレッツちゃんが演じるイザベルは、
クロエちゃんにしては珍しく、普通の女の子の役でしたし、
サシャ・バロン・コーエンが演じる鉄道公安官は、
一癖も二癖もある役なのに、どこか憎めないキャラクターになっていました。

その中でもタイトルロールであるジョルジュ・メリエスを演じた、
ベン・キングスレーの演技が圧倒的な存在感で物語を引き締めていましたね。

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」に出演していた
マックス・フォン・シドーもそうだったのですが、
この「ヒューゴの不思議な発明」のベン・キングスレーも、
安心して観ていられるというか、静かな演技の中にも迫力があるというか、
とにかく物凄く強い印象を残してくれます。

最近は「アビエイター」、「ディパーテッド」、「シャッターアイランド」と、
ディカプリオと組む事が多かったスコセッシだったので、
個人的にもディカプリオ抜きのスコセッシの映画が久しぶりに観れて良かったです。

この時期はアカデミー賞の影響もあり、「いいお話」の映画が多く公開されますが、
映画の歴史に多少でも興味がある人には向いている映画だと思いますので、
自分は観られませんでしたが、3Dで観る事をお勧めします。

ただ、一点だけ気になったのがタイトルの「ヒューゴの不思議な発明」。

原題は「HUGO」なので「不思議な発明」は邦題オリジナルだと思いますが、
映画の中でヒューゴは特に発明はしていないので、
正しくは「ヒューゴの地道な修理」にタイトルを改めた方が違和感はないかと思いますよ。

ヒューゴの不思議な発明のパンフレット

リチャード・ギアの最新作で、
とんでもない映画だった「顔のないスパイ」を観てきた。

ストーリーは、
ワシントンで上院議員が殺害される事件が発生し、
その手口から死んだとされている旧ソ連の伝説のスパイ、カシウスの存在が浮上する。
米ソ冷戦時代にCIA で活躍した元諜報部員ポールは、
事件の謎を解明するために呼び戻され、若きFBI捜査官ギアリーと組んで捜査にあたることに。
捜査が進むにつれカシウスの存在が明らかになっていくが、
あらゆる状況がカシウスの正体はポール本人であることを示しており・・・。

物語の早い段階でリチャード・ギアが伝説のスパイなのが分かるけれど、
これがこの映画のピークでしたね。

あとはもうウダウダな展開が続き、ドンパチするけれど・・・。

ラストに、どんでん返し的なオチがあったようだけど、
「で、それで?」といった感じで、つまらなかったです。

観終わった後は、
「何だったんだろう、この映画は」といった謎に包まれました。

多分、この映画を違う監督が撮ったならば、
同じ内容でも全く違う魅せ方の映画になったと思うので、
題材が面白かっただけに、かなりもったいない気がしました。

そして邦題の「顔のないスパイ」というのもね・・・。

原題が「DOUBLE」なので、
これだと色々な意味で内容が分かってしまうということで、
日本の配給会社が「顔のないスパイ」にしたのだろうけれど、
このセンスのなさには閉口するしかないです。

さらにこの配給会社は、
最初から「顔のないスパイ」のヒットはありえないと読んでいたのか、
パンフレットを制作しないという行動にも出ていたからね。

まあ、平日のテレ東の昼間に見るのがちょうどいい映画です。

顔のないスパイのポスター

ダンサー・イン・ザ・ダーク」のラース・フォン・トリアー監督、
キルスティン・ダンスト、シャルロット・ゲンズブール出演の
メランコリア」を観てきた。

ストーリーは、
マイケルとの結婚を決めたジャスティンは、姉のクレアの豪邸で結婚パーティーを行う。
最初は楽しそうに振舞っていたジャスティンだが、段々と浮かない顔を見せ始める。
やがてパーティーを抜けしたり、マイケルとのベッドを離れたり、
奇妙な行動を取り始めたジャスティン。
そんなジャスティンに怒ったマイケルは、彼女をクレアの家に置いて帰ってしまう。
その頃、天体異常が起こり、メランコリアという惑星が地球に近付いていた・・・。

冒頭10分間の圧倒的な映像美にノックアウトされました。

映画は2部構成になっていて、
1部が「ジャスティン」、2部が「クレア」と姉妹の名がつけられ、
1部ではジャスティンの結婚パーティーでのジャスティンの不安定な精神状態や
パーティーに参加している人々のエゴを剥き出しに描き、
2部では地球滅亡に向かう中、クレアの不安を中心に、
追い詰められた人々の姿を描いていた。

観終わった今だから思うのは、
キルスティン・ダンストが演じるジャスティンは完全に鬱だったんだなと。

そもそもタイトルの「メランコニア」の意味が憂鬱症らしく、
さらに、監督のラース・フォン・トリアー自身が鬱病だったようなので、
色々な意味で映画が意味不明だったのも納得なのかもしれません。

まあ、強いて言えば人間がいくらジタバタしたところで、
「宇宙の摂理から見ればどうってことでもないよ」
という事を伝えたかったのかもしれません。

この点は、テレンス・マリックの「ツリー・オブ・ライフ」に
通じる所があったかと思います。

1部の結婚パーティーは結構退屈な展開なのですが、
キルスティン・ダンストのドレスの胸元が僕を救ってくれましたね。

あと、キーファー・サザーランドも出演していたのですが、
どうしても、ジャック・バウアーにしか見えなかったのが困りました。

かなり賛否両論ある映画で、
正直、自分も冒頭とラストだけ観ればいいんじゃないかと思いましたが、
ラストにちゃんと結末がきたので、自分には納得できる映画となりました。

繰り返しになりますが、冒頭10分間の映像は最高に美しかったです。

メランコリアのパンフレット
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